『SLOW MADEな服づくり』

『SLOW MADEな服づくり』

元々僕は「CONFECT」というブランドが好きだった。

仕事ではジャケットを着るなど少しかっちり目な服装をして気分を高めることに対して、
休日ではラフで楽な格好をするのが好きだから。

社会人になってその自分の好みに当てはまると思ったのがこの「CONFECT」というブランド。

スーピマコットンのカーディガンと起毛リネンのパンツ。

季節問わずリネンの生地でつくられた製品は自然体を演出してくれ、
ナチュラルな質感とゆったりとして体に馴染む着心地はとても好みですっかりファンになっている。

男性用の「CONFECT」と「nest robe」という女性用のブランドもあるため、
ぜひ一度袖を通してみて欲しい。

好きなブランドが本を出してくれると嬉しい感覚はありますか?
そのブランドの考え方、哲学が見えて、さらに好きになってしまったり。

この本は
前半では、「nest robe/CONFECT」の製品を担当している、国内の各工場のこだわりが工場の様子とともに掲載されており、
後半では代表的な製品のこだわりや歴史の紹介がなされている。

自分が購入している製品に対して、工場まで遡っていくのは初めての感覚。
(専門用語も多いけど普通に勉強になる。)
そして自分が思っていた以上のこだわりが製品に詰まっていることを
掲載されている制作現場を通して感じることができる。

印象に残っているのは、糸にストレスを与えない染め方・織り方。
製品をつくる上で多くの選択肢があるけれど、その選択をしてくれたことで、
着る人にとってストレスのない唯一のものになってくれているのだと思う。

これは当たり前の話だけど、誰でも自分がつくったものには想い出や愛着が湧く。
逆に、他人がつくったものを購入しているだけではそういったものはなかなか感じられないのも事実。
(外見が重視されるファッションなら尚更だろう)

全てのものを自分で作ることはできない中でも、
身に着けるものを大切にしようと思えるようなストーリーを感じさせてくれる。

そんな一冊。

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