
イスラエルのSF作品を集めた一冊。
作品名や表紙などを見ると
よく言われるSF小説作品の中でもそれぞれつくられた国ごとに特色があるらしい。

今は『三体』が話題になった中国SFに勢いがあるように感じている。
(『三体』はまだ読めていないので早く読みたい)
実は海外SFを読むのは結構キツく感じていて、
海外の歴史や現代文化など、様々な前提を把握した上で、
そのSF作品独自の世界観を自分の中で構築する必要があるから!
そこを疎かにするとなんとなくの物語で読み進めることになって、
その作品で言いたいことを掴み切れるかが微妙になってくる。
SF作品は現代世界に警鐘を鳴らしたり、
何かの比喩・訴えを中心にしていることもあるため、きちんとした理解は大切だと思っている。
(最近だと中国の監視社会にかけて『1984年』とかが再注目されたりもあった)
そこでこの『シオンズ・フィクション』だが、
裏表紙には「イスラエルという国家は、本質的にサイエンス・フィクションの国」という唆られる一文がある。
いや、それ気になるな、ということで手にとってしまった。

どういう意味で「本質的」なのか。
「サイエンス・フィクションの国」というのは一体どういうことなのか。
イスラエルといえば聖書だったりのイメージも強いので
それらに根差しているのかもしれない。
読んでみて、イスラエルについて学んで、また読み直す、という楽しみ方ができそうな一冊。