
元々は谷崎潤一郎さんが描いた世界を
写真の力で新たに描きなおしたもの、
いわゆるリメイクというものになる
本で描かれた物語を映像化したり舞台化したりの媒体を跨いでいく
いわゆるメディアミックス的なことは多いが
本で描かれた世界を媒体をかえず表現を変えるものは少ない
小説ではなくビジュアルブックとして銘打たれており
言い方が適切ではないのかもしれないが小難しく考える必要なく
谷崎潤一郎の世界を味わうことができるのではないだろうか…

文庫本より大きめのサイズでありつつもデスクの上に置いておいたら
ふと手に取りやすいサイズ感です。
ちなみに私は谷崎潤一郎さんの本を読んだことは一度もない。
だからこそ目を引いたのかもしれないが
このように表現の方法が変わることによって手に取ろうとする人のきっかけの幅が
広がることは素晴らしいことだ。
「暗がり」と「翳り」を中心として日本の美学を紹介しているらしく
そもそもいわゆる影とかを利用した美しさを理解することができる本なのだろうか
と想いを巡らせつつ読もう。
世界を描く方法は無限にあり
それの1つに触れられる期待が膨らむ一冊。